「地球」第一次44号より
秋谷豊の日光紀行(笠原小学校:綴り方より)
四角い文字の現代詩工房設立計画書
平成23年の4月から6月に開催された、さいたま文学館企画展「秋谷豊―地球の詩人」
一通の封書が文学館宛てに届いた
秋谷豊の文字を「ラーメン文字」と表現したことへの抗議の内容
「秋谷先生はラーメン文字を喜んでいない、悲しんでいる」と書かれていました
その年の秋に秋谷豊詩鴗館で行われた「ランプ忌・秋谷豊賞授賞式」のときに
菊田守様にラーメン文字の云われをお聞きしたところ
「あれは最初、僕が電波文字と言っているところへ、新川さんが来られ
 あら!ラーメンみたいねと言ったのが始まり」だよと教えてくれました
そんなお話を伺ってから、4カ月後に資料の整理中に偶然見つけた
新川和江様からのお葉書・・ラーメン文字はもう一方の親愛のしるし
幼少の頃は、笠原小学校の綴り方にも残っているように普通の字
ガリ版刷りで詩誌など出していたからでしょうか
角ばった字を書くようになりました
セルロイドの下敷きを5cm角に切って、さらにそれを太めのL字型にして
器用に文字を書いていました まるで印字したように
現代詩工房設立計画書などがその代表です
やがて仕事が忙しくなってくると、フリーハンドになったようです
いつ頃から、震えるようになったかは定かではありません
それでも、晩年でも、じっくり書けば震えない字になっていました
さいたま文学館秋谷豊企画展の講演で新川和江様が
震える字は「秋谷さんが気合を入れて、誠意を込めて書くとふるえる」
おっしゃっていました
最近、皆様が秋谷豊より受け取った手紙などの資料を詩鴗館へ寄せてくれています
それらの、封書・葉書きなど拝見すると、それも当たっていると思いました
文学館に寄せられた一通の封書、ありがとうございました
新川和江様・菊田守様・さいたま文学館
いろいろな方々の思いのある文字です
新川和江様が秋谷豊へ出したハガキ ユーモアとウイットに
富んだ内容です 虎の縞が震えている絵をラーメン文字に
見立てて、秋谷さんの親戚でしょうか・・と書いています
昭和61年に頂いた葉書ですが、宛名面には大雪が降ったことが書かれています